十勝バス1985年(昭和60年)5月ダイヤ改正のこと その1

 

 

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先に書いたこの改正は大掛かりでしたが問題点もありました。それを改善するため1985年にまた大掛かりな改正が行われますがまずはその問題点のことを。

 

【1】国道38号線偏重

帯広駅から国道(38号線)や玄武住宅(今の西14条1丁目)・国道西20条を経由して帯広営業所に向かう系統が増え過ぎて供給過多に。拓殖バスの療養所線や一中線と一部で重複していることを考えると国道大戦争といった状況です。1985年10月末で国道西22条〜玄武住宅〜帯広駅(以下駅前)を走った十勝バスの系統一覧を玄武住宅を定点に見てみます。(系統番号文字色は下図と同じ、経由地の下線は国道区間赤字は注目すべき経由地)

 

1系統(循環東)営業所〜魚菜市場国道西20条柏葉高市立病院〜電信通〜駅前

2系統(循環西)営業所〜魚菜市場国道西20条西3条通〜駅前

30、32系統 芽室方面〜国道14号国道西20条西2条1〜駅前

60〜68系統 営業所〜国道西22条〜西5条2(復路は西5条1)〜駅前

70〜71系統 営業所〜国道西22条西2条1〜駅前

72〜78系統 営業所〜国道西22条柏葉高9丁目通〜駅前

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緑線の西3条(赤)から出てる緑色左向き(西行き)の矢印は復路なので往路の駅前行きでは通りません。西5条経由の往路(駅前行き)に西5条1丁目バス停はないので2丁目が最初のバス停です。そしてまだこの時は柏葉高〜東4条から駅前に向かう路線は協会病院を通らず9丁目線を通っています。1系統は柏葉高から更に東進して市立病院、電信通を経由してから駅前に向かいます。

 

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赤字は日祭日運休、青字は急行(次停西2条1丁目) 

この他に拓殖バスの駅前〜西18条本社前を結ぶ療養所線や魚菜市場まで行く工業団地線、途中で降車できませんが十勝バスには空港連絡バスもあります。

 【2】白樺通直行便の少なさ

国道が手厚くなった一方で柏林台線が通っていた白樺通は市内線ではなく近郊線と郊外線が担うこととなりました。柏林台地区や競馬場から東側の経由地の違いが複雑になったり駅前周辺へ直行する便の割合が少なく西帯広地区の乗客にとっては不便になったりしました。白樺通では南町3丁目を定点に見てみます。路線図と時刻表は以下の通り。

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略図の他に20系統営業所〜流通団地(貨物駅南側)〜北町〜競馬場〜駅前(古舞線)が4.5往復あり(日祭日運休)

 

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(南直行)は南町2丁目〜白樺学園〜競馬場〜西7条9〜西3条9(道銀)〜かじのビル

(南問)は南町2丁目〜競馬場〜西10条5〜問屋町〜合同庁舎〜西3条9〜かじのビル

(北白)は北町〜東町〜白樺学園〜競馬場〜西7条9〜西3条9(道銀)〜かじのビル

(北問)は北町〜新町〜西10条5〜問屋町〜合同庁舎〜西3条9(ヨーカドー)

行き先の国14は国道14号(今の国道西24条)行き

 

国道方面では特に1系統循環線東廻りが駅前に行くには遠回りすぎたのと国道方面から市立病院へ行く需要が多くなく利用は伸び悩み、また30、32系統以外は駅前を過ぎると経由地は違えど結局市内南部へ向かう路線ばかりで無駄が多い。住宅街として発展してきた白樺通沿いから市内南部の高校への、また逆に白樺学園や三条高校といった白樺通沿いの高校への通学需要に対応しきれていないなど色々と課題が出てきました。次は実際のダイヤ改正でどうなったかのお話です。