帯広のズレを楽しむ会 第1回

集まれ!北海道の学芸員のコラムリレー第24回に帯広市街の話があります。

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この話に出てくるのは今の十勝バス1系統循環線の東4条14丁目バス停のある交差点に交わる営林局通という道路です。かつての十勝バス東営業所のすぐ側で数年前まで教会前という名前のバス停でした。このズレは端的に言うと殖民地区画の南3線と市街地区画の南13〜14丁目とでは一区画の基準が違うので基準の境界が重なる所にズレが生じるということで、この東西の道路が滑らかに通行できるよう今は東大通(東4条通)の東側の道路の線形を変更していますが以前は東西方向に通行しようとするとシケイン状になっていました。

 

 

 

コラムではこの一か所を紹介していますが帯広市内でバスに乗っていると他にもこうしたズレを感じる所がないだろうかと気になります。

 

東4条14丁目から1系統循環線をそのまま帯広競馬場のほうへ乗り通すと西南大通から白樺通へと右折します。白樺通は南9丁目と南10丁目の間の道路ですから西9条9丁目のバス停では競馬場・本社行きは西向きなので当然道路の右(北)側が南9丁目左(南)側が南10丁目になります。バスは次の西11条9丁目にさしかかるとウツベツ川を渡る橋の前後で緩やかな右S字を描いてカーブします。そして帯広競馬場前の交差点にある信号の住所表示を見るとどうしてか右を見ても左を見ても西13条南9丁目になります。

 

 

 

南9丁目と南10丁目の間を通っていたはずなのにどうして?とパニックになることはありません。あなたの今いる場所は市街地区画の南9〜10丁目の間の道路ではなく殖民地区画の南2線の道路だからです。植民地区画の真ん中に帯広市街の市街地区画を作ったので基準の線(国道38号線と大通)以外ではどこかでズレが発生して気付かないよう真っ直ぐ走るためにどこかで調整しているのです。南2線と白樺通では根室本線の鉄道高架完成後このウツベツ川を渡る辺りで調整しています。高架になる前は根室本線の踏切(西6条)から西5条の間で調整していました。西5条通がアンダーパスだった頃上を走る9丁目道路が斜めに架かっていたのはそのためです。なかなか良い画像がなかったので昔の帯広市広報のリンクを紹介します。昔の航空写真を見た方が斜め具合はわかりやすいです。

http://www.city.obihiro.lg.jp/d-koho/d100102backnumber.data/11.2007-01.pdf

帯広市広報はpdfです。一番最後のページにアンダーパスの画像がありますが斜めになっているのはちょっと分かり難いです)

 

では、南3線と新緑通(南13丁目〜14丁目)や南4線と春駒通(南17〜18丁目)でもズレの調整があるのでしょうか?もちろんあります。

ではどこか?というとどちらの道路も西5号(西15条通)と西6号(西16条通)の間で調整しています。バス停でいうと新緑通は西15条13丁目から新緑通16条を経て西16条4丁目(いきなり丁目の数字が変わりますが同じ街路上です)の間で緩やかに北へ、春駒通は緑ヶ丘小学校から五中前の間で緩やかに南へそれぞれズレています。

 

 

 (バス路線が分かり難い場合は交通状況をオンにするとバス路線=ズレがどこか分かり易くなります)

 

帯広を中心とした殖民地区画の名残のバス停名は数年前まで市街地にも多く残っていたのですが今は十勝バス拓殖バス両社ともに帯広市街地にはほとんど残っていません。今でも残るのは団地名として残った十勝バスの14号団地、西11号団地、西10号団地や拓殖バスの西10号6丁目、隣町音更の緑陽台8線でしょうか?殖民地区画の交点にあるバス停として純粋に生き残ったのは帯広市街から近い所だと31系統の南2線16号やS12系統の芽室16号より西側、10、17系統の札内6号や45系統の下士幌6号より東側になります。また、帯広を中心とした殖民地区画とは異なる区画ですが2系統の川西2号や60系統の川西3号も市街地からは近いです。

 

以下に思い出せる範囲で1981年11月以降帯広を中心とした殖民地区画が由来のバス停名を北西側からあげてみます。カッコ内は現在のバス停名。

【基線(国道38号線)】国道15号(国道西25条)、国道14号(国道西24条)

【西14号】14号団地(現存)

【南1線】南1線(西帯広コミセン前)、西11号団地(現存)、西10号団地(現存)

【西10号】10号橋(廃止)、西10号6丁目(十勝バスのみ西20条6丁目・拓殖バスは現存)、西10号5丁目(栄通5丁目)、西10号4丁目(十勝バスは栄通4丁目・拓殖バスは西20条4丁目)

【南2線】南2線15号(西25条2丁目)、南2線14号(西24条2丁目)

【南4線】4線17条(西16条5丁目)元の南商業高校前でJR北海道バス時代に高校移転で改称

【南5線】南5線15条(西15条6丁目→常磐通6丁目)、南5線16条(西16条6丁目)南5線17条(西17条6丁目)、南5線18条(自由が丘2丁目)、南5線20条5丁目(森の交流館下)

【南7線】南7線(西12条31丁目)

【南8線】南8線(西5条34丁目)

【南9線】(元は空港入口で空港移転後)南9線(南町郵便局前)、南町9線(南の森西7丁目)

【南10線】南10線(南の森西4丁目)、南町10線(南の森西9丁目)

【南11線】南11線(光南病院前)

【南12線】南12線(廃止)

【東3号】宝来3号(廃止)

【東5号】宝来5号(廃止)

【東6号】札内6号(現存)下士幌6号(現存)、宝来6号(廃止)

【北6線】音更6線(木野大通14丁目)

【北7線】音更7線(木野大通16丁目)

【北8線】音更8線(木野大通18丁目)、緑陽台8線(現存)

【北9線】柳町9線(よつば乳業東口)

 

残ったところはほとんど都会っぽいバス停名に変わっちゃいましたね。循環線が南8線から北高移転に伴い延伸した時にできた稲田基線(西10条39丁目)や稲田東1線(西8条39丁目)、稲田東2線(西5条39丁目)なんかはどうして無いんだという方がいらっしゃるかもしれませんがそちらは川西2号より南が入らなかったのと同じ理由です。それを入れるなら川西0号や1号、音更1号から北なんかも入れたくなりますからキリがないということでご了承ください。