夏季多客期は観光路線と増便の季節 その2

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の続きになります。下の路線図の左上辺りのお話になります。

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【2】然別湖トムラウシ系統

 

(1)帯広駅〜瓜幕〜然別湖〜山田温泉(拓殖バス)

帯広〜(瓜幕)坂下のバス路線は十勝の内陸ではわりと早めで1927年に開業。その路線が1932年に然別湖手前の白雲橋まで、1934年には然別湖畔の光風館へと延びていきました。そして遅くとも1960年には山田温泉へと拓殖バスの路線は伸びていきました。山田温泉から先、幌鹿峠や糠平へと続く道路は先述の通りまだ工事が始まっていませんが拓殖バスとしては当然帯広・新得〜鹿追〜然別湖〜山田温泉〜糠平温泉という周遊コースの輸送を狙っていたでしょう。1961年には帯広〜山田温泉直通2往復と山田温泉〜然別湖の1往復が走っていましたが翌1962年には然別湖止まりの便を山田温泉まで直通させ夏休み期間中のみ急行も走らせるといった力の入れようでした。拓殖バスの然別湖・山田温泉と国鉄バスの襟裳岬からくる互いのバスが接続していたのも特長です。

夏休み期間の増便は無くなりましたがこの路線は今でも帯広駅〜然別湖の間で運行されています。

 

(2)南新得新得駅〜屈足〜岩松〜トムラウシ温泉(拓殖バス)

1965年7月10日それまでの南新得新得駅〜岩松の路線の一部の便を延長する形でトムラウシ温泉への乗り入れが始まりました。初めは年間通しで1日2往復走っていましたが1978年の時刻表では年間通しで走るのが南新得午後発トムラウシ温泉午前発の1往復となり南新得午前発トムラウシ温泉午後発1往復は夏休み期間中のみの運行へと減便されます。その後夏休み増便がなくなりトムラウシ温泉までの定期運行として時刻表で確認できるのは1986年夏ダイヤが一旦最後となります。足寄駅から出ていた奥芽登線や前回書いた然別湖糠平駅の拓殖バスの郡部ローカル線は1986年が最後の運行となった路線がいくつかあります。

翌1987年からは南新得〜岩松という元の路線での運行に戻るのですが長くは続かず遅くとも1993年には南新得〜トムラ登山学校までへと更に路線は短くなります。1992年の時刻表がなく1991年にはトムラ登山学校を中心とした温泉施設が開業しているので1992年から道道から登山学校への入口にある屈足34号〜岩松を休止して登山学校へ乗り入れた可能性はあります。南新得〜トムラ登山学校の路線は2018年4月20日で廃止となりました。

と書くのは正しいのですが今でも新得駅トムラウシ温泉の路線バスは夏休みの海の日三連休と北海道の夏休み期間中の毎日は予約があれば今でも乗車することができます。

www.takubus.com

1993年の時刻表にリゾートバス運行という欄があり時刻は載っていませんがトムラウシ温泉線の表記もあります。 最初は予約制ではなくトムラウシ温泉行き1便、新得行き2便の運行でしたが1999年にはトムラウシ温泉行きも2便になりました。毎年夏ダイヤが発表になる頃にはトムラウシ温泉線の運行予定も発表になります。

 

次回は帯広から海沿いを目指した観光路線の話です。